観光タクシーで北海道の大自然の息吹を感じる、活火山・硫黄山の旅へExperience the Breath of Nature in Hokkaido's Vast Wilderness with a Tour to Mt. Io, an Active Volcano

川湯温泉周辺では、南側に位置するアトサヌプリがおすすめです。通称「裸の山」と呼ばれるこの活火山は、標高512mで、茶色の山肌に無数の噴気孔があります。硫黄分を含んだ白煙が立ち上る様子は迫力満点で、周辺一帯には硫黄の匂いが立ち込めます。タクシーでの観光なら、アトサヌプリからの景色も楽しめます。また、山麓に広がるのは、北海道の固有種であるエゾイソツツジの大群落も見どころの一つです。

厳しい環境で育ち、6月から7月にかけて美しい純白の花を咲かせます。観光客には、歩いて散策できる「つつじヶ原自然探勝路」が整備されており、6月上旬から7月上旬にはガイドツアーも開催されています。是非、活火山と美しい自然を堪能してみてください。

この山が川湯温泉の源として有名だとご存知でしょうか。しかし、実は明治初期から昭和30年代にかけては、硫黄を採掘する鉱山としても利用されていたんです。当時、硫黄はマッチや火薬の原料として需要が高まっていた希少な鉱物で、近くの雌阿寒岳や知床硫黄山でも採掘が盛んに行われていました。この硫黄採掘によって、ほぼ未開の地であった弟子屈・釧路を含めた道東の産業が急速に発展していったのです。今では、この硫黄山は観光名所として多くの人々に愛されています。是非、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

硫黄山と人との出会いはアイヌの人々が、硫黄を焚き付けに使っていたことに始まります。このことを聞きつけた釧路の漁場持であった佐野孫右衛門は、明治9年に試掘を行い、明治10年には本格的な採掘事業を始めました。当時は現代のような機械がなく、鉱夫たちはクワなどを使って硫黄を採掘し、その場で精錬していました。馬や舟を使って運び、釧路まで運ぶという非常に大変な作業でしたが、採掘量は豊富で、採掘を始めた年には全道で２番目の採掘量を誇ったといいます。

明治時代には、硫黄は貴重な鉱物資源として、マッチや火薬の原料としての需要に加え、外貨獲得の手段としても注目されました。明治10年には大規模な採掘が始まり、輸送路も整備され、硫黄産業は飛躍的に発展していきました。しかし、明治20年代に入ると大量輸送が開始されたことにより、硫黄資源は急速に枯渇してしまいました。そして、明治29年にはとうとう採掘が中止されてしまいました。現在では、かつての硫黄鉱山跡地が観光地として多くの人々に訪れられています。

硫黄山は、鉄道を敷設し、川湯温泉の発展を後押ししたことで知られています。現在でも、山肌から立ちのぼる噴煙は、その歴史を知らずとも迫力満点で見る者を圧倒します。観光地としても人気が高く、多くの観光客が訪れます。また、周辺には美しい自然や温泉もあり、多くの人々を魅了しています。硫黄山は、日本の豊かな自然と歴史に触れることができる、素晴らしい観光スポットの一つです。

「アトサヌプリ」というアイヌ語で「裸の山」と呼ばれる硫黄山は、周囲に独特の硫黄の匂いが立ち込め、山肌からはゴウゴウと音を立てながら噴煙がほとばしります。レストハウスのある駐車場から山裾の砂礫を進むと、黄色い硫黄の結晶がいくつも見られ、勢いよく噴気があがる様子はとてもダイナミックです。ここはかつて硫黄の採掘で栄え、この地に鉄道を敷設させ、川湯温泉の発展を支えてきた場所であり、歴史的にも大切な1ページとなっています。往時の活気あふれる様子を想像しながら、歴史を感じるひとときを過ごしてみるのもいいでしょう。